2010-01-01から1年間の記事一覧

日曜日

唐突に、玄関のチャイムが鳴ったので、急いでシャツを着てドアを開けた。どうやらNHKの集金をする人のようだ。ホワイトシャツの顔で汗をかいているおじさんだ。「まだご契約されていないようなので伺いました」 と手に持った入力機器を見ながらぼそぼそと早…

つまらない人の話

「おはようございます。今日は新入社員の皆さんも来てくれているので、いつもとは少し違う話をしようと思います。私自身の話です。私は大学院を卒業してこの会社に就職しました。同期は50人ほどでした。私は同期に気後れすることがありました。私は無趣味だ…

夕日は笑っていたね

広尾二丁目は確かに高級住宅街ではあるがそれは坂の上のことであって地理的にも住宅価格的にも低い所をみればどこにでもある住宅街と変わらず、おばちゃんとかおっさんとかまあそんな呼称がぴったりの人たちが犬を散歩したり白いシャツを着ながら気持ちよさ…

号泣する準備はできていた

号泣する準備はできていた (新潮文庫)はじめに読んだときにはあまり印象に残りませんでした。江國 香織さんが書いた短編集です。すごい、感性で。だからこそ、僕にはこの繊細な物語たちは理解できないのだろう、と。 読んだのは文庫版です。本を棚にしまった…

自ずからに由る

言い訳だ。良い訳でなく。凡人なのだ。汎用とはだいぶ違う。 自分の事なんて大してわかっちゃいない、一体何がわからないのかもわからない。それにもかかわらず、飽きたらず、自分で自分を騙そうともする。僕に限った話ではないようだ。というのは例えば、以…

日記やこれや

昼近くに起きる。母親が用意してくれた朝ご飯を食べ終えた後大学へ向かう。 電車の中でamazon:号泣する準備はできていたを読む。気がついたら所沢駅を過ぎていた。引き返すのは面倒だと思いそのまま乗りつづける。座席に座る人は誰一人として同じ座り方では…