「ナ・バ・テア」読んだ

なんだこれ,すごいな.すばらしい作品を読ませてもらいましたと,作者にお礼を言いたい.

森博嗣さんのスカイ・クロラシリーズ第一作,ナ・バ・テア(None But Air).

一切のすきもなく構成された小さな世界で,登場人物たちがその世界での確かなリアリティで持って書かれる.戦闘機のドッグファイトで熱くなったり,地上での冷たい時間を味わったりと,読んでいて本当に面白かった.
主人公は他人と触れ合うことを無価値としているような人間で,望んでいるのは戦闘機に乗って孤独に遊ぶことだけだ。それでも,空の上では一人だけどなんとも楽しそう.
僕は、主人公の孤独が羨ましくて,僕にも空があれば良かったのにと思った.そうすれば善良に生きることができたのかも.